認知症と歯周病

歯周病が認知症の症状を悪化させることが研究によって解明されたことが、1月6日朝日新聞に掲載されていました。 『認知症の6割を占めるとされるアルツハイマー病は、脳の神経細胞の中にアミロイドβというタンパク質の「ゴミ」がたまり、神経細胞が徐々に死滅することが原因と考えられている。 研究グループは、アルツハイマー病を発症するマウスに歯周病菌を感染させて、歯周病ではないアルツハイマー病のマウスの脳と比較した。5週間後、歯周病のマウスでは記憶をつかさどる海馬でアミロイドβの量が約1.4倍に増えていた。 さらに、記憶学習能力を調べる実験でも、歯周病のマウスでは認知機能が低下していたという。 歯周病のマウスの脳内では、歯周病菌から出ている毒素や、免疫細胞が細菌を攻撃するために出す色々なタンパク質(サイトカイン)が増えていた。それによって、アミロイドβが作られる量が増えたと考えられるという。』 この記事を読んだ時、歯周病予防の重要性を再認識するとともに、皆様にお伝えしていかなければと強く思いました。 まさに、健康寿命を延ばすために予防歯科はなくてはならないものであります。悪くなってから受診するのでは手遅れになっている症例も多く、てのほどこしようが無い状態の方も多くいらっしゃいます。悪くならないように検診を受けることが大切です。 また、歯周病と全身疾患は以下の疾患とも深い関わりがあることは研究で明らかになっています。 ●狭心症・心筋梗塞 ●脳梗塞 ●糖尿病 ●低体重児出産・早産 ●骨粗しょう症 ●関節炎 ●腎炎 ●メタボリックシンドローム 歯周病によって、これだけ様々な疾患にかかりやすくなるリスクがあるのです。 歯周病は自然治癒することがありません。 また、サイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)とも表現されるようにひどくなるまで病気と自覚されることことの少ない病気です。 症状がでてからでは遅いと考えて頂ければと思います。 まず、自分が歯周病にかかっていないかを歯科医院で定期的に精密検査を受けることが大切です。 以前、歯周病にかかったが症状が良くなったという方は再発しないように定期管理を受けることが大切です。 歯周病は1度罹ると再発しやすい疾患です。自己管理だけでは良い状態を保ち続けるのは大変難しいと思います。 歯周病は万病のもとです。 是非、検査・予防を始めて下さい。 治療費の面からも、歯周病に罹患してしまってから治療するより確実に治療費の削減につながります。   (出典:朝日新聞)
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